流星ワゴンの視聴率第1話。とんびや選タクシーとは違う理由をネタバレ
第1話視聴率は11.1%
数字が伸びなかった原因は、前クールの同じ時間帯枠で放映されていた『ごめんね青春』が低視聴率だった影響から放映前の期待値が低かったこと、視聴者が聞きかじった前評判『男親と息子の人生を振り返る物語』が「また”とんび”みたいなのやるんだー」というデジャブ感が低視聴率発進をした大きな理由ではないかと推測される。
出典:TBS
TBSが慌てない理由
下の棒グラフは、流星ワゴンと同じ制作スタッフで放映された『半沢直樹』の視聴率をグラフ化したものである。放映開始直後は「誰も期待していなかった」と言われていた。しかし、後半に行くほど伸びを見せ、日本中を巻き込むブームを起こし、最終回ではテレビ離れの現代では驚きの42.2%という数字を叩きだした。
出典:NAVERまとめ
ヒットを確信しているTBS
同じスタッフ陣で制作された『半沢直樹』の視聴率を観てみると、これもまた第1話での期待値が低かったことが見受けられる。
流星ワゴンの11.1%と比較すると、半沢直樹の第1話の19.4%は大きく見えるが、2015年今期の全冬ドラマの第1話の中での最高視聴率が『デート~恋とはどんなものかしら~』(フジテレビ系列月9枠)が14.8%であることを考えると、比率としては流星ワゴンと半沢直樹は同程度の発進具合いではないかと思われる。
現在、インターネット上では、”素敵な選TAXIと似ている”ということで不本意な話題も高まりつつあるが、それは逆であることは明白である。
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パクリ疑惑の詳細
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そのようなこと以外に話題となるべき箇所は沢山ある。主演の西島秀俊と香川照之の熱演ぶりや、放映前からグッズの販売準備をしているほどのTBSの力の入り具合いからすると、今後の視聴率曲線も急上昇していくことは間違いないだろう。
その確信の程は、TBSが事前から用意しているグッズのラインナップを観て欲しい。
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素敵な選TAXI
(センタクシー)
とは違う理由
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確かに、素敵な選タクシーも、流星ワゴンも、タイムスリップし、未来に悪影響を及ぼす原因となる出来事に対して”良くなるように”アプローチをしていくという基本設定としては同一の世界観を持っているとも言える。
しかし、決定的に異なるのは、選タクシーが「自分の行きたい過去」を選んで行けるのに対し、流星ワゴンでは、「どこに連れて行かれるかはわからないが”あなた”にとって大切などこか」であるということ。これにより”謎解き”のエッセンスもドラマの中に含まれるようになる。ストーリーにミステリアスな部分を感じると、人は無意識にストレスを感じ、無意識にその解決を求める。
その解決を知るまでの最終回までの間というのは、ストレスよりも惹きこまれる魅力(=ここでは期待値とも言えるだろう)が上回っていく、というのが人の性である。この上乗せされた”謎”が流星ワゴンの大きな魅力のひとつなのではないだろうか。
とんびとは違う理由
TBSの同じ時間枠で2013年に放映していた”とんび” こちらも不器用な男親と息子の心のすれ違いや交流を息子が過去を振り返るというスタンスで描かれたドラマだ。
原作も、同じ重松清で2003年10月~2004年7月に中日新聞社発行の新聞紙で連載されたものである。
この”とんび”の魅力は、息子から観た想いの「変えようのない親子の歴史」の振り返りにフォーカスしていることであることだと思う。
この場合、「フォーカス」しているので、シンプルにその感情の描写に深みがあり、視聴者は息子のアキラや父親のヤスに感情移入したのではないだろうか。「3丁目の夕日」的なノスタルジーも感じられた。
それに対し、この流星ワゴンの魅力というのは、先述の”ストレス(謎)”を解決してスッキリするところを観たいという欲求に、過度に不器用な男親の愛情が見せる切なさ・愛しさが重なり、視聴者に共感と疑似体験という影響を及ぼしていくのではないだろうか。
例えば、半沢直樹の場合は、1話完結に近いストーリーであっても観る者に少しずつのストレス(完全な勧善懲悪を望む欲求)を与え続け、そして最後の最後、最終回での”あの土下座”で視聴者に「溜飲を下げる」大きな爽快感を与え、上げ続けた期待値を上回るアンサーを与えたのだ。
まとめ
今回の”流星ワゴン”ではどの様に展開させていくのかが、すでに計算されている。原作によるストーリー、演出、スポンサーの効果的なコラボの仕方・・・など数え上げるときりがないほどの伏線を張っている。
期待値を受け止めるだけの度量を持ったドラマであると確信できる仕上がりだろう。今後の展開と”世間の評価”に注目したい。
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