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急性胃腸炎の食事制限。飲食再開いつから?水分の取り方や良い食物は

      2015/02/26

急性胃腸炎(嘔吐下痢症・感染性胃腸炎・ウィルス性胃腸炎)の症状と食事の関係

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「ひどい風邪かなー?」と思いきや、病院での診断は『急性胃腸炎』(嘔吐下痢症)。 吐き気もあるし、下痢もひどい。しんどいけど、なるべく早くに治したい。そんな時、食事の摂り方によって、回復のスピードはとても変わってきます。症状の経過と、それに合わせた効果的な食事で、早い復活を目指しましょう。

 

どんな食事をしたら良いの?

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一般的には、まず絶食!と言われていましたが、近年の傾向や研究結果により、医療の側での食事についての指導も変化してきました。実は慎重になりすぎて、絶食期間を長引くすることにより、低栄養状態をつくりだしてしまうことが、回復を遅らせる大きな原因となっているのです。

(1)積極的に経口補液療法を行う。
(2)脱水補正後はすぐにいつも通りの食事を与える(早期に食事を再開する)。
(3)(乳幼児の場合)母乳の量の制限やミルクの希釈は必要ない。
(4)不必要な薬物は使用しない。

今までは「絶食が一番!」という考え方が浸透していたので、すぐには違和感を感じるかもしれませんが、近年の欧米での治療の流れは上記のように変わってきています。日本ではまだ知られていない部分もありますが、今後はこの考え方がスタンダードになっていくでしょう。

 

急性胃腸炎の症状の段階と食事方法

1.嘔吐がある段階

この段階で何より注意しなくてはならないのは、脱水症状です。しかし、嘔吐がある時は、水を飲むのもツライし、「飲んでまた吐いたらどうしよう?」と不安にもなります。しかし、脱水状態になると、もっと症状が悪化したり回復が遅れたりしますので、少しずつでも水分は取ったほうが良いとされています。(昔は絶食を勧められていました。)

まず、嘔吐後、すぐに水分を摂るのではなく、少し休んでから、水分を少しずつ与えてください。嘔吐後、1時間程度休ませ、その後、水分を与えます。無理に大量に飲ませるのではなく、本人が飲める量から始めて十分です。

また、補水後、脱水症状が改善されたかどうかは、下記チェックをしてみてください。

・喉の渇きが治まる。
・爪を押してみると白くなるが、3秒以内に血の色が戻ってくる
(色が戻ってくるまでに3秒以上かかるようなら脱水症状の兆候)
・尿の色が通常通りになる。
・尿が普段通りの量になる。

 

どんな種類の水分?

<<水分と塩分、適度な糖分の補給が大切です>>

◆乳幼児の場合◆

水分の補給=「水」を与えるという意味ではありません。母乳は続けて大丈夫です。人工ミルクの場合も薄める必要はありません。経口補液を併用して与えてください。市販の乳幼児飲料は経口補水液として最適です。

離乳食が進んだ乳児でも人口ミルクそのままで、経口補水液を併用してください。もしも空腹を訴えるようであれば、でんぷん質をメインとした離乳食を与えてもOKです。

◆大人の場合◆

大人の場合も水分は経口補水液をお勧めします。大人がよく飲むスポーツ飲料はナトリウム濃度やカリウム濃度が低いばかりではなく、糖濃度が高く、血液が酸性化しやすい果糖が多いため適していません。どうしてもスポーツドリンクを飲む場合には、2倍~3倍に薄めて飲むと良いでしょう。

おすすめは、最近はほとんどのドラッグストアなどで売っているOS-1。今、身近に手に入る経口補水液の中で一番ポピュラーなものです。

出典:factory otsuka

しかし、結構高いものであることや、一人暮らしの方で買いに行くのがしんどすぎる場合など、そんな時には自宅にあるもので手作りしてしまうことも可能です。

 

自作経口補水液の作り方
(1リットル)

■材料

砂糖:40g(大さじ4と2分の1)
しお:3g(小さじ2分の1)
100%果汁:150~200ml
+水:合計で1リットル

■作り方手順

1)湯冷まし1リットルに砂糖と塩を入れ、透明になるまでかき混ぜる。
2)果汁を入れ、飲みやすい風味をつける。(カリウムの補給にもなります)

※果汁がない場合には入れなくてもOK。

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2.嘔吐は収まったけど下痢をしている段階

先述しましたが、昔は下痢をしている間は、絶食をした方が良いとされていました。しかし今の考え方は『早期に食事を再開する』という方向へ変化してきています。

◆乳幼児の場合◆

大まかな目安ですが、乳児の離乳食は少し前の段階に戻す、いつもより軟らかく水分、塩分を少し多めにする。

幼児には、消化によいデンプンなどの糖類(うどんなど)、特におかゆがおすすめです。なぜなら、お米は世界が認める最も有効な胃腸炎食だからです。

(参考)

おかゆの作り方:ご飯から簡単に美味しく作る人気の方法~鍋別レシピ

 

◆大人の場合◆

あまり気にしなくても良いとは言っても、脂質が多いものは胃腸への負担が大きいので、身体に優しい食事を心がけた方が良いでしょう。肉や、魚も全く食べてはいけないと言うこともありませんが、脂質をすくなくするために、“焼く、炒める”料理ではなく、“煮る、蒸す”料理にしましょう。

果物は、リンゴがおすすめです。リンゴに含まれるペクチンには下痢の症状を抑える作用が含まれていまするためです。しかし、リンゴジュースは糖分が多すぎるためNG、生のリンゴを用意しましょう。

また、あまり、食べない方がよいものは、「油っこいもの」「香辛料」「炭酸」「冷たいもの」「柑橘系」「甘すぎるもの」です。

牛乳、脂肪の多い食品(天ぷら、ステーキ、中華料理など)。発酵しやすい食品(白い砂糖が多く含まれている食品、サツマイモ、クリなど)。ミカンのような柑橘系果実。等です。もちろん添加物や油脂てんこ盛りなカップラーメンはNGですよ。

 

食事療法まとめると

★嘔吐が治まるまでは補水をする。(嘔吐から1時間程度後に)

★嘔吐が治まったら、通常に近い食事を再開する。

★しばらくは「油っこいもの」「香辛料」「炭酸」「冷たいもの」「柑橘系」「甘すぎるもの」を控える。

ということになります。なるべく早く回復するために、上記に気をつけてお過ごしください。早期の回復をお祈りしています。

 - お役立ち, カルチャー

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